- 「おもしろトーク=有能」は科学的に弱い。会話の“独占”はむしろ集団の成績を下げがち。
- 「奢り」で評価すると“返報性”が働き、観察が歪む可能性が高い。
- 飲み会に呼ばれない=詰み、ではない。法制度・働き方の変化で成功経路は多様化。
目次
はじめに
「コツコツ積み上げてない奴は話がつまらない→つまらないから積み上げられない→飲み会にも呼ばれない」という主張、聞き心地はよくても、事実ベースで見ると穴だらけです。人と組織のパフォーマンス研究では、“話の面白さ”や“場の支配”と成果は必ずしも直結しません。さらに、奢りという行為は心理学的に強いバイアスを生みます。ここでは最新・古典の実証研究をもとに反論を5つ、テンポよく提示します。データで殴るので容赦なしw
反論5選
①「おしゃべりが上手い=仕事ができる」ではないw
外向性(よく話す・社交的)の“見かけの魅力”はありますが、職務成績との関連は一貫して強くありません。職務成績を予測する古典的メタ分析では、幅広い職種をならすと“外向性”の予測力は小さく、安定して効くのは勤勉さ(誠実性)でした。
さらに集団の成果は「均等な発言の回り」によって高まり、誰かが延々しゃべる状態は逆に集団知性を下げます。“会話のターンテイキングが均等”なチームほど課題成績が高かったというScience論文は有名です。
結論:「よく喋る人=積み上げてる人」という短絡は、データ的に弱いんですよねw
②「静かなリーダーが勝つ」状況が現実にある件w
現場データ+実験で示されたのは、部下が主体的なほど“外向的な上司”は成果を落とし得るという事実。米ピザチェーンの店舗データでは、消極的な部下の店では外向的上司が利益高、しかし積極的な部下の店では内向的上司が利益高という“逆転現象”が確認されました(+16% vs −14%)。
結論:「面白く仕切る人が最強」ではなく、状況依存。静かで受容的なリーダーがチームを伸ばす場面、普通にありますw
③「奢った場」での評価は“返報性”でゆがむw
社会心理学の古典「コーラ実験」では、小さな“おごり”が、その後の依頼への“従いやすさ”を劇的に増やすことが示されました(相手を好いているかに関わらず)。これが返報性の規範。人は“受けた好意を返さねば”と感じ、態度がポジティブに傾きます。
つまり「8000人に奢った場」で観察した“話の面白さ”は、奢りの効果で上振れし、反論や違和感が言い出しにくい。これを一般化して「コツコツ勢はつまらん!」と言い切るのは、サンプルが偏っている可能性が高いんです。観察バイアス乙w
④「飲み会に呼ばれない=キャリア終了」じゃないw
まず制度面。職場のパワハラ防止は法的な“義務”で、力関係を背景にした過度な言動や参加強要はNGになりました。参加強制が“アルコール・ハラスメント”に当たり得ることも各所で明記・啓発されています。
次に行動面。若年層の習慣飲酒は減少傾向が確認され、飲み会中心のネットワークが絶対条件ではありません。
さらに構造面。テレワーク・ハイブリッド勤務は日本でも定着フェーズ。就業者ベースで2割超がテレワーカーという分析もあり、物理的飲み会の重要度は相対的に低下しています。
結論:“飲み会招集”の有無で人の価値を測る時代じゃないっすw オンライン含む多様なつながりの方がむしろ合理的。
⑤「コツコツ神話」は盛られがち。成果との相関は“中くらい以下”、話の量とアイデア量も別問題w
“積み上げ力”の代名詞「グリット(やり抜く力)」は、成績や離職の予測力がしばしば誇張されてきました。大規模メタ分析では、グリットと成果の相関は小~中程度で、既存特性(誠実性)との差別的価値は限定的と結論づけられています。
また会議でたくさん話す=良いアイデアが出るでもありません。ブレインストーミング研究は、個人で出したアイデアを合算した“名目集団”の方が、話し合い“実集団”より量も質も上になりやすいことを繰り返し示してきました(原因:発言待ちで詰まる=“生産ブロッキング”など)。
結論:“積み上げ=おしゃべり上手”でも“会議で目立つ=成果”でもない。静かな熟考×継続が効く領域は堅実に存在しますw
じゃあ、どう反論すれば角が立たない?(テンプレ)
- 「話の面白さは主観で、成果との相関は小さい研究が多いですよ(集団は発言の均等さが大事)。」
- 「部下が自走する現場では、静かなリーダーの方が売上が伸びた例もあります。」
- 「奢りの場は返報性が働いて“同調”が増えがち。観察には向かない気がします。」
- 「飲み会の強制は法的にアウト寄り。働き方もハイブリッドで多様ですよ。」
- 「“コツコツ=万能”は過大評価。静かでも積んでる人、見えづらいだけでいます。」
質疑応答コーナー
セイジ
でも、飲み会で盛り上げられる人の方が出世早いっすよね??
プロ先生
一部の営業職などでは外向性が効くこともありますが、汎用的に強いわけではありません。むしろ発言の“独占”はチーム全体の知性を下げると示されています。役割と状況で“強い性質”は変わる、が正解です。
セイジ
「奢る」ことで人脈つくるのは正攻法なんすか??
プロ先生
好意の返報性で短期的な“Yes”は引き出しやすいですが、評価が甘くなって観察が歪む。長期の信頼や実力の可視化には、透明な成果物や公開の実績の方が持続的です。返報性のバイアスは研究的にも強固です。
セイジ
飲み会行かないと情報網から外れる…それはガチっすか??
プロ先生
“強制ノミュニケーション”は時代遅れ。法の趣旨も“強要×優越的関係”を禁じ、働き方もハイブリッド化。コミュニティはオフライン限定じゃありません。専門コミュニティ・OSS・勉強会・社内ナレッジで接点は作れます。
まとめ
- 「しゃべりの面白さ」と「積み上げ力・成果」は同義じゃない ⇒ 均等な発言と誠実性が効くw
- 「奢り観察」は返報性で歪む ⇒ 8000人の体感を一般化するのは危険w
- 飲み会が“関門”の時代ではない ⇒ 法と働き方の変化で成功経路は多様化!








































