- 「長くいるほどバカになる」はエビデンス不足。利用者の属性や選抜効果を無視した断定は不正確です。
- “私は正しい”という過信は人間一般のバイアスで、SNS固有の「能力低下」ではありません。
- 設計と介入(プロンプト、ファクトチェック)で情報行動は改善。データで確認できます。
目次
はじめに
「長くX(旧Twitter)にいる人ほど、『こいつが馬鹿』『わたしは正しい』と即断し、『わたしが馬鹿かも』を排除する――」という断定は、聞こえはキャッチーですが、科学的・統計的な裏付けが薄い主張です。実際には、ユーザーの属性の違い(年齢や関心、政治参加度)や、アルゴリズム・インターフェース設計の影響、そして人間に普遍的な認知バイアスが絡み合っています。本稿では、研究や大規模調査の事実に基づき、反論5選を提示します。
反論1:「長居=バカ化」説、データの裏付けが見当たらないw
- 大規模調査では、X(旧Twitter)ユーザーは一般成人人口より若年で、教育水準が高い傾向があり、政治参加も活発――という特徴が繰り返し観測されています。これだけで「賢い/賢くない」を語ることはできませんが、少なくとも「長居すると情報処理能力が落ちる」との断定は支持されていません。
- さらに2025年の最新調査でも、利用体験やサイトの政治的雰囲気評価に党派差はあるものの、「在籍期間=認知低下」という因果は示されていません。主張は相関と因果の取り違え疑惑ですw。
反論2:「私は正しい!」はSNSの病ではなく、人類の“仕様”ですw
- 有名なダニング=クルーガー効果は、「能力が低い人ほど自己評価が高くなりがち」という人間一般の認知バイアス。これはSNS誕生以前から確認されており、特定のプラットフォームに長居して育つ能力ではありません。
- つまり「『わたしは正しい』と即断する人が目立つ」現象は、可視化を強めるSNSの構造(拡散・返信・いいね)が増幅する側面はあっても、能力が“育つ”という話ではないのです。
反論3:「エコーチェンバー万能説」への冷や水⇒効果は限定的、しかも複雑!
- オンラインの「フィルターバブル/エコーチェンバー」は確かに懸念ですが、全体効果は限定的とする定量研究も複数。単純に「長居=思考停止」とは言い切れません。
- 加えて、反対意見への暴露は常に善ではないという知見も。Twitterで反対陣営を1か月フォローさせる大規模実験では、むしろ一部で極化が進む結果が報告されました。つまり「視野が広がれば即・賢くなる」ほど人間は単純ではないのですw。
- 一方で、「どれだけの人が本当に“泡”の中にいるのか」を測る研究では、多くの人は完全な泡にはいないことも示されます。状況はもっと多様で、決めつけは危険。
反論4:設計を変えると人は変わる!――“読む前RT”抑制&正確性プロンプトの実績
- Xが導入した「読む前にリツイートしますか?」のプロンプトは、ユーザーに記事を開かせ、浅い共有を減らす効果が初期データで報告されました。行動はナッジで改善可能という事実。
- さらに学術界では、「精度(正確さ)を意識させる簡単な注意喚起」が誤情報の共有を有意に減らすことを繰り返し実証。Natureや大規模RCTでも再現されています。“考える力”は設計次第で引き出せるのですw。
反論5:群衆知の修正力⇒コミュニティノートは拡散を減らす方向に働く!
- Xのコミュニティノート(旧Birdwatch)は、ユーザーの協働で誤解を補足する仕組み。初期の研究・予備的分析では、ノートの展開が誤情報投稿へのエンゲージメントを下げうる兆候が示されています(課題も併記)。“都合よく処理”一辺倒では片づけられません。
質疑応答コーナー
セイジ
「結局、Xは人を極端にしがちってことっすか??」
プロ先生
「“場合による”が正解です。反対意見への暴露で一部が硬化する実験もあるけど、全体効果は限定的という研究もあります。設計やコミュニティ次第で緩和も可能っす。」
セイジ
「『私は正しい!』って言い切る人が目立つの、Xの文化のせいっすよね??」
プロ先生
「目立ちやすいのは確か。でも“過信”は人間の標準装備。SNSは拡声器。だからこそ、正確性プロンプトやノートのような“静かなブレーキ”が効くんす。」
セイジ
「じゃあ『長居するとバカ化』はガセなんすか??」
プロ先生
「“長居そのもの”で能力が落ちる証拠は見当たりません。属性差と使い方の問題っす。読む前RTを止めたり、ノートを活用したり、設計を工夫すれば“賢い使い方”は普通にできますね。」
まとめ
- 事実①:在籍年数=認知低下の証拠は乏しい。属性差と因果の取り違えに注意!
- 事実②:“私は正しい”は人間のバイアス。SNS固有の“能力育成”ではないw。
- 事実③:プロンプトやノートなどの介入で行動は改善⇒設計次第で賢く使える!


































