- 「いいね」減少はSNS全体の構造変化や視聴行動の分散という“事実”の影響を受けます。
- 無理筋に見える擁護も、根っこにデータや既知の傾向が混じると“それっぽく”聞こえます。
- 結局は検証と改善のサイクルが命。投稿時間・形式・導線を変える現実策が効きます。
目次
はじめに
28歳インフルエンサーの男性が「いいね数が着実に減ってきてて受ける。今度は食いっぱぐれるかも」とこぼした――そんなケースは決して珍しくありません。実際、SNSはアルゴリズム変更、視聴者の分散、広告在庫の変動、フォーマットの流行など、多数の外的要因に左右されます。本記事は擁護を5つ並べつつ、各項目の最後で現実的なファクトと対策を添えて検証します。
擁護5選
①「いいねが減るのは“進化”の証明! 深みが出た結果、気軽に押せなくなった説w」
「内容が成熟し過ぎて読者が沈黙のうなずきをしているだけ! だから“いいね”は減るけど質は上がってる!」という擁護です。たしかに、濃い長文や専門性の高い話題は、消費時間が長くなるぶん即時反応は鈍りやすい傾向があります。
現実ポイント:エンゲージメントは「表示」「視聴時間」「保存」「シェア」などに分解され、表面の“いいね”だけで評価できないのは事実です。一方で、保存・送信・クリック率が上がっているかは要チェック。ここが伸びていなければ単なる関心低下の可能性が高いです。
対策:要約カード、冒頭に結論、図解の挿入、1投稿1メッセージ化で“いいねを押しやすい余白”を作ります。
②「景気と季節要因のせい! “いいね景気循環”で今は冬の時代なんだよ説w」
「月末や長期休暇、新学期・決算期は行動が変わり、SNSの滞在や反応が落ちる」説です。ユーザー行動は暦・行事・時間割の影響を受けます。
現実ポイント:曜日・時間帯・月次で反応が波打つのは広く観測される事実です。特に投稿の“初速”が休日と平日で明確に違う現象は珍しくありません。
対策:アーカイブ再投下、週次で“当たり時間帯”のABテスト、月内最終週の軽量コンテンツ化などで季節性を吸収します。
③「地球が悪い! タイムゾーンのいたずらで“初速”が殺されてる説w」
フォロワーが多国籍だと、ベストタイムが噛み合わず初速が弱くなる、という擁護です。
現実ポイント:レコメンドは初動の反応を強く重視します。フォロワー比率が分散しているなら、地域別に最適時間がズレるのは事実。
対策:地域別アナリティクスから最大クラスタの現地ゴールデンタイムに寄せる/曜日で地域ローテーション/ストーリーズや短尺で“前座”を置き初速を底上げします。
④「サイレント大勝利! みんな心の“いいね”で応援してるだけ説w」
「閲覧はしてるけど押してないだけ!」という擁護。
現実ポイント:多くのプラットフォームで閲覧→反応は1〜数%台が普通です。ビューが横ばい〜増なのに“いいね”だけ急減していれば、CTA(押しやすさ)やクリエイティブ設計が原因の可能性大。
対策:「保存して後で読む」「続きはコメントで」など明確な呼びかけを置き、タップしやすい余白や結論の強調で反応ハードルを下げます。
⑤「AIが“いいね”を吸ってる!? 新フォーマット優遇の渦に飲まれた説w」
新機能や新フォーマット(短尺動画、テンプレ、AI生成サムネ等)が優遇され、従来型投稿の露出が相対的に落ちる、という擁護です。
現実ポイント:プラットフォームは滞在時間と新機能普及を重視しがちで、リール/ショート/ライブなど新しい容れ物が伸びやすい局面は実際に存在します。
対策:既存投稿を15〜30秒の要点動画に再編集、表紙のテキスト密度を最適化、視覚フック(最初の1秒)を作ることでアルゴリズムの“流れ”に乗ります。
“いいね”が減るとき実際に起きていること(事実ベース)
- サチュレーション(飽和):同テーマ・同フォーマットの投稿が増え、差別化が効きにくくなります。
- 視聴行動の分散:複数アプリや短尺動画への移動で、単一面の滞在と反応が割れます。
- アルゴリズムの初速依存:投稿直後の反応が弱いと拡散の波に乗りにくくなります。
- クリエイティブ・CTAの劣化:サムネ、冒頭3秒、見出し、結論配置が古くなると押されにくいです。
- コミュニティ摩耗:同じ顔ぶれ・同じ口調が続くと、ファンは“いいね疲れ”を起こします。
現実的に効く打ち手(すぐ試せる3ステップ)
- ① 週次レビュー:インプレッション→プロフィール遷移→外部クリック→保存のファネルを並べ、どこで落ちるか特定します。
- ② 3点ABテスト:「サムネ(/表紙)」「冒頭1秒(/1行目)」「CTA文言」を各2案で同週に回し、当たりを残します。
- ③ 導線の二重化:投稿内CTA+固定コメント/ストーリーズで再露出し、初速の底上げを図ります。
“擁護”5選を事実で振り返る(ミニ検証)
- 深み説:長文・高密度は反応が鈍くなりがち=ありうる。ただし保存・滞在が同時に伸びていなければ単なる減速です。
- 景気循環説:曜日・季節の波は現実に存在。カレンダー連動の配信最適化で打ち消せます。
- タイムゾーン説:国際フォロワー比率が高いなら合理的。最大クラスタに合わせた運用を。
- サイレント応援説:“見るけど押さない”は一般的。ただしCTA設計次第で改善余地あり。
- AI・新機能優遇説:新フォーマット偏重の時期は実在。再編集で波に乗るのが近道です。
質疑応答コーナー
セイジ
無理筋擁護って結局ネタっすよね??
プロ先生
ネタ要素はありますが、根底に“観測される事実”が混ざると仮説の出発点になります。大事なのは数字で裏取りし、当たり前に検証することです。
セイジ
投稿時間を替えるだけで本当に変わるんすか??」
プロ先生
初速重視の仕組みでは変わりやすいです。最大フォロワークラスタの現地時間に寄せる、前座の短尺やストーリーズで通知的露出を作ると改善します。
セイジ
AI優遇に合わせて全部動画化すべきっすよね??」
プロ先生
“全部”は危険です。伸びやすい要点パートだけ短尺に再編集し、テキストや静止画の強みも残すのが現実的です。
ミニケース:仮想「男さん」の7日改善プラン
- Day1:直近30日の投稿を棚卸し。ビュー・いいね・保存・送信をスプレッドで可視化。
- Day2:最大クラスタの現地19〜22時に時間固定。前座として短尺を1時間前に投下。
- Day3:サムネ2案、冒頭テキスト2案、CTA2案でABテスト。勝ち筋を仮決定。
- Day4:長文は要約カード化。図解1枚+本編。保存率を重点監視。
- Day5:カルーセルで「結論→根拠→例→行動」の順に並べ替え。
- Day6:固定コメントでQ&A誘導。「続きはコメント欄」で反応箇所を増やす。
- Day7:勝ち案のみで再投下し、初速と拡散の差を検証。翌週の標準運用に反映。
まとめ
- “いいね減”には構造・季節・設計の要因が絡みます。擁護はネタでも、根に事実が潜みます。
- 初速・フォーマット・CTAの三位一体で改善余地は大きいです。
- 笑いながらも検証。無理筋を仮説化して、7日で小さく回すのが最短ルートです!