- 「いじめ」を“税金逃れ”になぞらえる比喩が加害責任をぼかす!?
- “集団適応”を盾に暴力を正当化⇒学校・職場の法的義務を無視
- 議論が置き去りにした「被害者の回復」と「第三者の沈黙コスト」
目次
【序章】なぜここまで燃えたのかw
発端は某SNSの陽キャ東大生の発言。「いじめはコミュニケーションコストの脱税をした奴への当然の罰」「集団のルールに適応させるには厳しく接するしかない」と語り、コメント欄が炎上しました。
いじめ問題は毎年文科省が公表する調査で年間約68万件(2023年度)※を超え、決して“自業自得”で片づけられる規模ではありません。にもかかわらず、加害行為を「コスト回収」と表現したことで「暴力礼賛」と受け取られ、大炎上に発展しました。
大事な観点5つ
①「脱税」メタファーの責任転嫁トリック!?w
“脱税”は本来、納税義務を回避した脱法者=悪を指します。これを「ルールを守らない被害者側」に当てはめれば、加害者が正義に反転。比喩が強烈な分、責任の所在がねじ曲がる――ここが第一の問題です。
②学校教育法・労働法ガン無視の「自己解決」論ww
日本の学校は「安全配慮義務」(学校教育法第13条・第30条)を負い、職場も労基法・パワハラ防止法で暴力を禁止しています。「厳しく接する」は法の外の私刑。「組織統治コストを下げる」と称しても公的責任は免れません。
③集団圧力を“正義”にすると沈黙コストが爆増!?
いじめ加担を拒否した第三者は“裏切り者”扱いされる――これが沈黙コスト。被害者だけでなく、声を上げる側も萎縮し、組織全体がブラック化。経済学で言う負の外部性が可視化されていません。
④回復的司法という選択肢を封じる危険!
近年注目される「回復的司法(Restorative Justice)」は、加害・被害双方が対話し、関係修復と再発防止を図る手法。しかし「罰こそ矯正」という発想が強いと、対話の場が“さらし者”に変わり失敗します。
⑤“コスト論”が多様性コストを切り捨てる!?
自閉スペクトラム症など神経多様性を持つ人は、一般的な非言語サインを読み取りづらく「空気が読めない」と誤解されがち。そこに「脱税者」レッテルを貼れば、マイノリティ排除が正当化される――最後の重大論点です。
【質疑応答コーナー】
セイジ
比喩が強烈でも、多少は議論を活性化させるメリットあるんすか??
プロ先生
言葉が尖るほど注目度は上がりますが、議論が0か100の二極化になり、合意形成コストが逆に高騰しますね。
セイジ
罰を重くすれば再犯防止になる説、やっぱ根拠薄いっすよね??
プロ先生
ええ。犯罪学でも検挙率・処罰率の高さより「捕まる確率」の方が抑止力になるとされており、量刑強化だけでは再発は防ぎにくいんです。
セイジ
第三者が声を上げる仕組み、どう整えるべきっすか??
プロ先生
匿名相談窓口の整備、担任・上司とは別ラインのホットライン、AIチャットによる初期ヒアリングなど多層的な導線を用意し、沈黙コストを下げる施策が効果的ですよ。
【まとめ】
- 比喩が暴走すると責任転嫁が起こり本質議論が迷子に
- 法的・倫理的枠組みを無視した私刑は組織リスクを拡大
- 「被害者回復」と「第三者保護」なくして本質的解決なし








































