- 「ウソ」は“下手”どころか違法・規約違反。景品表示法や特商法、主要プラットフォーム規約で明確にアウトです。
- 弱点の“正直な開示”は説得力を高めうる(ブレミッシング効果/二面提示)=ウソの代替は「バランス情報」です。
- 長期の売上は信頼と再購入がカギ。リテンション5%改善で利益25~95%増という古典的な知見もあります。
目次
はじめに
「マーケ下手はすぐウソをつく。良い部分を見つけられないからだ」という主張は、刺激的ですが事実に基づきません。宣伝・PRの世界では、虚偽やステマは法律と各種ガイドラインで明確に禁じられ、アルゴリズムやアカウント運用にも直撃します。一方で、誠実な情報提示が説得を強めるエビデンスは複数存在します。以下反論5選を、実務で使える形で示します。
反論5選
① 「ウソ」は“マーケ下手”以前に違法&規約違反です! ⇒ 法が先、語りは後
- 国内法:景品表示法は「優良誤認」「有利誤認」を禁止。実際より著しく良い/有利に見せる表示はアウトです。2023年10月からは“宣伝であることを隠す”ステルスマーケティングも違反扱いになりました。
- 通販分野:特定商取引法は「誇大宣伝」や事実と著しく異なる宣伝を禁止。行政処分や罰則の対象にもなります。
- プラットフォーム:Googleは「不実表示(誤解を招く表現)」を厳禁、違反はアカウント即時停止の可能性。Metaも誤解を招く・実証不能な主張を禁止します。
- レビュー領域:米FTCは2024年に偽レビュー等を禁じる最終規則を施行。違反に民事制裁金も。ウソは持続不能どころか“持続させてはいけない”行為です。
——結論:「ウソ=下手だからやる」ではなく、「ウソ=違法・規約違反ゆえやってはいけない」。ここでゲームは終わりですw
② 弱点の“正直な開示”は説得力↑ ⇒ 二面提示&ブレミッシング効果
- 研究知見:小さな弱点を織り交ぜる「二面提示」は、信頼性やメッセージの現実味を高めうるとされます(メタ分析的レビューあり)。
- ブレミッシング効果:主にポジティブ情報の後に“軽微なネガ”を添えると、むしろ評価が上がる条件付き効果が報告されています(Journal of Consumer Research)。ただし、順序や認知負荷など条件を外すと逆効果。テクは「小さな傷を、最後に」。
——結論:良い部分を「見つけられない人がウソをつく」ではなく、“小さな弱点を正直に語る”こと自体が技術であり、ウソの必要はゼロ。w
③ 信頼は“売上の保険”⇒ 炎上時の許しも得る。だからウソは最悪の投資
- ブランド信頼と行動:Edelmanの2024年特別レポートは、消費者の84%が「価値観の共有」を購入条件とし、信頼するブランドには購入・継続・推奨で報いると示します。信頼は“買う・守る・許す”の源泉。
- 政治化した環境で:約6割が政治的立場で買う/避ける時代。透明な説明と一貫性が求められます。
——結論:信頼が資産。短期の“釣り”は長期の損失に転化します。
④ 売上の本体はリピート(LTV)! ⇒ リテンション5%↑で利益25~95%↑という古典
- 古典的知見:Bain/Harvard Business Review系の文献は、顧客維持率5%の改善で利益が25~95%増になると指摘。ウソで初回CVRを稼いでも、リピートが死ねば全体最適は崩壊します。
- 示唆:短期CTRやCPAで自己満してもLTVが削れれば赤字。正確な期待値形成(誇張でなく定量・根拠提示)が最短ルートです。
——結論:マーケは「約束の管理」。ウソは将来キャッシュフローの破壊ですw
⑤ 「8000人に奢った経験則」はエビデンスじゃない ⇒ 選択バイアスと“逸話の限界”
- 選択バイアス:対象の集め方・脱落等で結果が歪む代表的要因。任意参加や特定コミュニティ偏在の経験則は、外的妥当性が低いのが通例です。
- “人は皆すぐウソをつく”ではない:虚偽言明の分布は一部の多弁な“プロリフィック・ライアー”に偏るという知見。よって「マーケ下手=すぐウソ」は因果でも一般化可能でもありません。
- 実務なら:逸話よりABテスト・レビュー監査・第三者証明(エビデンス)で“良い部分”を定量化しましょう。米FTCの最新ルールもレビュー捏造を厳禁化。
——結論:n=8000の武勇伝<n=十分な検証。経験談は仮説の出発点にすぎません。
質疑応答コーナー
セイジ
弱点を書くと売れなくなるリスクってやっぱ高いっすか??
プロ先生
条件次第です。小さく・非致命的・最後にという三点を守れば、信頼性が上がる可能性があります(ブレミッシング効果)。ただし致命的欠陥は隠さず改善を先に。順序と重さを誤ると逆効果なのでABテストで確認します。
セイジ
法的にOKな「誇張」ってどこまでっすよね??
プロ先生
基本は実証可能な事実+明確な前提条件です。景品表示法は「実際より著しく優良・有利」な表示を禁じ、通販は特商法で誇大宣伝を禁止。比較優位の根拠や試験条件を示せない誇張は危険域です。Ad識別の明示も忘れずに。
セイジ
インフルエンサー施策、どこまで依頼しても大丈夫なんすか??
プロ先生
金銭や提供の明示(#PR等)、体験に基づく表現、過度な主張の不可が鉄則。ステマ規制で“宣伝であることの秘匿”は違反、FTCも偽レビューを明確に禁止。事実確認シートと表現監修、アーカイブ監査まで含めると安全です。
まとめ
- ウソは「下手」ではなく「違法・規約違反」。ステマも含めガチで危ない!
- 弱点の誠実な開示は説得力を高めうる。条件設計とABテストで最適化!
- 長期利益は信頼とリピートで決まる。LTV思考で“約束の管理”を!











































